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東京都、各自治体のテレワーク導入状況、どう導入していくか?

人が密集し過ぎている、東京

東京都は、テレワークを実に積極的に勧めている自治体の一つだ。なぜならば、交通機関の混雑状況一つ取っても、東京都という都市は生存競争と言うストレスを荷しているからだ。夕方に関しては、各々の仕事の終了時間や終了後の過ごし方で、公共交通機関の混雑はある一定の時間を除けばゆるやかになる

しかし、朝、始業時間はどこでも同じものだ。例えば電車一つとっても、乗車率100%を超えるぎゅうぎゅう詰めの満員電車で通勤しなければならないのが、現実である。始業時にそのストレスを抱えて、一日の仕事をしなければならないのは、果たして人間の生き方として正しいものだろうか。
パソコンが一人1台と普及した現代において、必ずしも職場の所定のデスクで仕事をしなくても、自分に与えられたノルマをこなすことができれば、仕事は仕事として成り立つのではないだろうか。

東京オリンピックが、変革の機会

東京オリンピックを間近に控えた東京都の推進するテレワークの試みは、ここにある。

働く場所は、会社だけではないのだ。

オリンピックの期間自体は数カ月であるが、世界各国から様々な外国人が訪日する。その中の多くの人が、自国のラッシュアワー時のことは知っていても、日本の現状を知っているとは限らない。
その外国人が公共交通機関を使う人数は、単純計算で一日850万人と換算される。地下鉄においては、乗車客が10%以上増える可能性がある。

東京オリンピックの為だけではなく、今の時代において、通勤時間が本当に必要なものであるかどうか。
仕事する場はどこでもあるのではないだろうかという前提において、東京オリンピックというビックイベントを利用して、テレワークを浸透させることはできないだろうか。これが、東京都の意図するところである。

人の心にとっての働き方改革

8年前に開かれたロンドンオリンピックの際に、ロンドン市内の約8割の企業がテレワークに踏み切った。そして交通混雑が無事回避された。
この前例を踏まえて、東京都は、テレワークだけでなく、時差出勤やフレックス勤務を行う呼びかけを始めた。
2019年10月末時点で、テレワークを導入している企業は、全体の25.1%。東京都が目指しているのは、従業員30人以上の都内企業のテレワーク導入率を35%に持っていくこと。
現状としては、従業員数300人未満の企業の導入率が14.4%に対して、2000人以上の企業では46.6%。大企業の方がフラットに、テレワークを取り入れていることが歴然としている。

いわゆる中小企業や零細企業と呼ばれる人数の企業では、自分の専門性以外に会社の業務を二重にも三重にも抱えて、出社しないと会社運営そのものが成り立たないとも言える。しかし、会社が大きくなればなるほど、各々の仕事の専門性が確立され、その内容によっては出社せずとも仕事が成り立つ。また、必要な時に、必要なだけ出社し、後は仕事のしやすい場で自分の仕事を全うすればいいだけの話になる。
東京都には、本社と言われる大企業の統括部門が集約されているので、例えば丸の内あたりの企業だけでもテレワークに参入するだけで、人の流れの大きな改善となることであろう。
東京都の中の移動のキーポイントになる地区だけに働きかけるのもまた、変革につながる。

東京都の具体的取り組み方

東京都では、「東京テレワーク推進センター」を開設した。テレワークに関するサービスが1ヵ所で行える。
例えば、

  • テレワーク導入に必要な製品やサービスの比較検討
  • テレワーク導入企業の実例紹介
  • 関連書籍の閲覧
  • コンシュルジュ(相談員)による相談窓口

これによって、重複した仕事をこなしている中小企業や零細企業でも、テレワークが可能かどうかの判断ができる。
また、テレワーク体験セミナーというイベント、ワークショップも実施されている。
導入メリットの理解や機器の操作を通じて、テレワークによる働き方の体験をしてみる。
百聞は一見にしかずで、意外と自社でも取り入れられることが実証されることになる。業界ごとの課題や状況をさらに細分化した業界別体験型セミナーという種類も行っている。
また、テレワーク導入を目指す中堅・中小企業に対しては、コンサルタントの派遣も行っている。人事やICT、業務改革などの専門分野において強い味方となる。業務内容の見直しや業務プロセスの整理、ペーパレス化などの改善策の提案を受けて試行支援を行う。

未だテレワーク実施を迷っている企業の一番心配な部分は、経費負担だと思われる。そのため、東京都では、補助金を用意している。

  • 従業員数300~999人 110万円
  • 従業員数100~299人 70万円
  • 従業員数100人未満  40万円

この他に、従業員1,000人未満の中堅・中小企業を対象に、テレワークの機器導入経費やサテライトオフィスの利用料助成金も、250万円(補助率1/2)受けられる。
それだけの補助金や助成金、専門の相談機関の開設をしてでも、東京と言う就業人口過多の都市は、新しい働き方を、東京オリンピックを契機として立ち上げ、新しい商期を作り、人が人らしく(メンタル面でも)生きられる都市を目指しているのだ。

他自治体にとってのテレワーク

総務省のアンケートによると、全国的にテレワークの実地や支援する取り組みをしている自治体は、わずかに7%止まりになってなっている。しかし、都道府県という大きな枠組みでみると約25%がすでに取り組んでいると言う回答になっている。
政令都市・市や特別区・町・村、の順でその割合は減ってはいるが、関心だけをクローズアップして見ると年々高まっているという統計が出ている。

主な府県の取り組み状況

大阪府

テレワークの試行実施。
サテライトオフィスの利用拡大。
タブレット端末を利用して、交代で臭1回の在宅勤務を試行。
スカイプなどでのミーティングを行う。頻度や運用範囲を確認しつつ運用ルールを策定中。
従来は、育児や介護、出張でのみの利用に限定されていたサテライトオフィスを、ソロワークや短期の介助も利用範囲に含めて、webカメラの増設し利用しやすくしている。

神奈川県

2017年5月からテレワーク導入。
合同庁舎や東京事務所など、近隣に引っ越した職員が利用できるサテライトオフィスを設置
いくつかの制限を設けながら、政府主導のテレワーク・デイズに合わせて範囲拡大のトライアルの実施。

静岡県

東京から新幹線で1時間と言う立地の中に、10施設以上500席以上の「まちなか」テレワークと、海に面した自然エリアにあるリノベーション施設でのテレワーク。
「働くを共に育む」複合施設に、保育園とコワーキングオフィス、住居を集約し、1日あたり500~1,500円で利用可
交流イベント開催。新幹線代往復補助。ポケットWi-Fi貸与。

お試しテレワーク体験事業(企業関係)

徳島県

コワーキングの先駆けとして、高齢者による「葉っぱビジネス:いろどり」~タブレット端末を駆使して受発注(モバイルワーク)
「サテライトオフィス進出」県内24市町村のうち12市町村に62社が進出。
お試しサテライト~短期間各地域で体験徳島県庁では、育児・介護中のみならず全職員に在宅勤務の機会を与える。
タブレット端末を100台に増やしモバイルワーク~現場での業務処理、災害時対応。

県庁職員のテレワーク

愛媛県

県庁全職員対象に、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス利用」実施~希望職員には、持ち運び可能な専用パソコン貸与。
庁舎以外の職場のメールや共有データなどが利用できる環境整備。
外部から自席の作業環境とほぼ同じ機能を利用することが可能。

教育分野におけるテレワーク

テレワークによる新しい働き方

本来であれば、企業先行で行われるべきテレワーク。しかし、大きくテレワークが位置付けられているだけであって、どれが正しいのかは、まだ模索中である。
ゆえに、まず自治体が見本を示すことによって、取り入れてみようかと参加する企業も増えてくることだろう。

数千人もの従業員を抱える企業はある意味、一つの自治体化した独自のテレワークを推進している。それは、その企業の働き方の未来へ向かうスタイルである。
しかし、従来然と朝8時に会社について、午後5時に終業するという働き方では、全世界的には「24時間対応」できない。
そのために、テレワークと言う新しい働き方で、各自が働きやすい時間と場所で、仕事をすることが今後もっと重要に求められてくる。
今は、就業形態の過渡期と言える時期だ。
東京オリンピックまでには、間に合わないかもしれない。
しかし、不幸なことだが、現在進行形の新型コロナウィルスの流行を考えると、テレワークは人類にとって、今最も必要な働き方なのかもしれない。

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