ノウハウ

飲食店がこの先生き残るには~テレワークの普及における外食産業

今、飲食店は、テイクアウト主流に舵を切った。本来、店で食べる形態のランチは、700円から1000円設定(勤め人向きではなく、女子会などのレディスランチは1000円を超すが~滞在時間を考えると妥当だ)。それをテイクアウトで680円程度のお弁当にして提供している。

店によっては毎日割引があり、週に何回か通えば100円引きの580円になる。それで店側がやっていけるかどうかは、とても厳しい状態だが、なにもせず「困った困った」を連発していても、お金は入ってはこない。長期的なことについてはこれから検討するにしても、緊急事態宣言が予定として終わる5月6日までに、冷蔵庫に保存している食材をそのままにしておくわけにはいかないのだから。

また、ある飲食店は、クラウドファンディングの一連の流れである企画を打ち出している。「コロナの影響がなくなったら行くから払い」。前金で支払って、終息後に食べに行くという手法だ。ただ、この企画に参入している店は、出店してまだ日が浅い店が多い。


そもそもコロナ問題があったから客足が減ったのか、新しいからお客に店が周知されていないのか、残念ながらまずいからお客が寄り付かないのか。オーナーそのものが精査できていない場合が多い。

前金を払ってもらうことによって、今今の生活を乗り切る一助にはなるだろう。しかし、そこで入ってきたお金をすべて生活のために使ったら、店を再開した時に、仕入れ代金は0になる。将来の仕入れ代金を取っておかなければならない。お客は、前金で支払っているから、店を再開しても、しばらくは現金収入がない。今も苦しいけれど、将来的にも苦しくなる。

ましてや、古くから店を構えているところ(持ちビルや自宅が望ましい)ならば、そこからいなくならないという安心感から前金を支払う「応援したい客」もいるだろうが、終息迄そこに存在しているのか怪しい店に前金を支払う客はいない。
そこらへんの理解ができていない店主たちが、SNSを使って、前金でうちの店を救ってくださいと発信している。終息に何年かかってもつぶれないでいる根拠を示してほしいと、ついリツーイトしたくなる。

私は、少なくとも、店を閉めて前金を当てにしている料理人より、原価率が低くなってもテイクアウトという前向きな料理人の方が、生き残る力があると考える。テレワークの普及によって、飲食店は今後どうなっていくか。正直、ビジネス街の飲食店の経営は厳しくなっていくだろう。逆に、テレワーカーの住居近辺のお店は、思わぬ需要が微増するかもしれない。あくまでも微増だ。

人と言うものは、家で仕事をしていると、わざわざ外着に着替えてまで、ランチを食べに出かけることはしない。では、宅配(昔で言うところの出前)に関しては、出前が宅配と言う言葉に変わった時点で、最低制限金額が設定されるようになった。あれこれ調べてみたが、お昼時は最低で1500円以上だ~出前だったら、ラーメン2つ以上的なイメージ(それでもラーメン2つでは1000円にもならない)。

忙しい時間帯が過ぎて、やっと1000円以上に価格帯が下がる。ピザの宅配も最低金額は1000円以上からだ。筆者の住んでいる田舎でこの金額だから、東京の都心部または近郊では、もっとの金額が最低金額として設定されているだろう。要は、1人でそれだけの量を食べきることができるかだ。


だったら、ランチとしてお店に出向かなくても、弁当店やコンビニのお弁当の方がはるかに安いしハードルは低い。
お弁当店も、チェーン店だとメニューに飽きてしまうが、地元経営のお惣菜店で出してくれる日替わり弁当は、安価でボリュームがあって飽きない味になっている。お惣菜の店だから、夕飯のおかずも同時に購入することができる。一挙両得だ。

散歩を兼ねて、惣菜店に行って、食生活における用事が終わる。テレワーカーには実に魅力的なことだ。スーパーに行って、あれもこれも買って、本当は今日必要でなかったのにと後で後悔するよりも、地元の商店街には「必要なものを必要なだけ」と言ったメリットが存在する。

たまには、ランチをするのもいいだろう。もし近くに、同僚が住んでいたら、会社に勤めていた時のようにランチ時間のシェアができる。

ただ、テレワークは時間が自分で決められる、自由だからと言って、知り合いと昼から酒類を交えてのランチはご法度だ。ましてや時間を決めないランチ(店ではだいたい2時まででランチを終えて休憩になるようだが、ファミレス系のチェーン店では5時までランチタイムだったりする)は、一人の会社員として自覚がたりないと言える。

ランチは行き帰りの時間を入れて50分以内。テレワーク時の散歩時間を加味しても1時間半以内に自宅やコワーキングスペースの所定の場所に戻って来るのが前提だ。ある程度時間は自由でも、まったく自分の心の思うがままに自由に時間を使っていいことにはならない。

自宅でのテレワークを続けていると、料理に目覚める人が多い。特に普段料理をしない男性に多い。散歩のときに食材を求めて、仕事中に煮物を同時進行させれば、味の滲みた煮物が仕事上りにはできているといった一石二鳥の仕事ができる。
事務作業をパソコンに向かってしていると、なにかクリエイティブなことがしたくなる。

それが料理だ。自分が自分の好きな味加減で作るから、おいしいに間違いはない。おいしいから、わざわざお金を払ってまで出かけなくなる。

材料だって、八百屋肉屋魚屋をこまめに回ることによって、旬の時季の一番おいしい素材に出逢える。旬だから価格も安い。顔見知りになれば、おまけもしてもらえる。商店街は、今まで出会わなかった人と出会える場所だ。
今まで仕事一筋で、外食で、さらに会社の同僚としか話さない人生だったのが、テレワークすることで、人生が一変する。

自分が住んでいる地域をまず知ることができる。地元の商店街を知ることができる。商店街に出入りする人たちと知り合いになる。食材の知識や料理法も、お店の人だけでなく、顔見知りになった客同士から仕入れこともできる。
なによりも、住んでいる周辺で今何が起こっているのかリアルタイムの情報を得ることができる。

その情報をもっと話したいと思ったら、夜に住民が集まる飲食店に集合して、食べながら話すこともできる。人間関係が広がると言うわけだ。そういう意味で、今まで自営や近辺に居住している人だけを相手にしていた住宅地の飲食店の売り上げは、多少上がるようになるだろう。

もしくは可能性と言えるのは、その店を拠点に新しい街づくりを模索する集団ができる。
地元を知り尽くした人々と、会社しか知らなかった人々の持っているものをコラボレイトして、新しい何かが生まれる。それは地域の発展に大きく寄与することだろう。テレワークの思わぬ副産物だ。

しかし、会社近辺の飲食店は、厳しい。今までなんの宣伝も行わなくても、昼時になったら、どこの隅からでも人がわいたようにランチを食べに、あるいはテイクアウトしに来ていた人そのものが消えるのだ。

テレワークにおいて人が出勤していないのだから、宣伝を打ったとしても、わざわざ電車代などの交通費をかけて一般の人が食べに来ると言うことは、稀である。
都会の会社がどうかはわからない。自社の食堂がない場合、特定の弁当業者や社食業者が、昼時になると出入りして、わざわざ外に買いに行かなくてもいいようなシステムにしている会社が地方にはやまほどある。

テレワークで在中する人は減っているが、店で待っているよりも、出掛けて買ってもらう。そんな積極性を持った飲食店しか生き残れない時代は、そんなにしない将来にくるだろう。

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