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労災認定は、在宅でも、企業の姿勢次第~自宅や外で怪我した場合労災認定される?

労災認定、これは普通に働いている中でもかなり難しい案件です。例えば、毎日通勤する道で事故にあうと認められるんです。どこにも寄らず、ただまっす家に帰る行為を行っていれば。でも、人は、帰りに夕飯の材料を買ったりしますよね。これについても、普段から基本的に寄るお店でのアクシデントならば、労災が認められる「場合」もあります。しかし、特売をしていたからと、あまり行かないお店で起こると認められません。

また、遠回りしていつもとは違う道を通っていても認められない。
実際働いてる現場で、事故が起こっても認められない場合もあるのですから、通勤とはいえ、プライベートも含まれる時間帯で認められるかは、会社の社員を守る姿勢にかかっていると言えます。
労災は、なるべく出さない方が、会社としての評判がいい。たったこんな理由でみとめられなかったりするのです。

また、労災は、経営者がかけてくれるものです。経営者は、社員と同じ労働をしていても、社員=労働者ではないので入れない。だから、しれっとしてかけていない場合もあります。事故が起きてから入っても、認定は受けられませんから、こんな時は、泣き寝入りしかありません。

では、テレワーク中の事故やアクシデントが起きた場合、労災は認められるでしょうか。理論的には認められます
けれど、簡単に認められるかというと、それが労働していると認められたときのみであって、少しでもプライベートが関わっていると無理です。

労災の参考事例

参考事例1

例えば、会社への書類をポストに投函に行ったとします。一人で、ポストへの道をまっすぐ行ってまっすぐ戻って来るといった行動に、きちんとそれを遂行したという目撃者が付いている場合は、認められる可能性は高いと思います。目撃者がいない場合は、認められる可能性は半分以下になります。

この時に、子供の散歩もついでにして、子供にふいに手を引っ張られて転んで骨折したとします。
目的自体は、会社への書類をポストに投函ですよね。でも、ついでにプライベートの子どもの散歩も加わっています。重点がどちらに置かれているか、判断がつきかねる状態です。こんな時は、認められないと考える方が妥当です。

参考事例2

パソコンは機械です。機械は日々メンテナンスを怠っていなくても、人間の想像を超えたアクシデントを起こすものです。
デスクから立ち上がって、ふっと振り向いたら、パソコンから煙と火花が出ていた(かなり極端な例です)。火事になる可能性もあるので、必死になって消しているうちに火傷した。これは労災案件です。

しかし、パソコンが異常な加熱をするくらい、「何で使っていたか」でも、案件として通るかどうかが違います。会社の書類を3日がかりで必死になって書いていた場合、なんとか復旧させたパソコンの通信履歴が証明してくれるでしょう。でも、セキュリティ上OKなプライベート作業をしていた場合は、認められませんよね。
火傷して通院も余儀なくされるのに、会社支給のパソコンを弁償しなければならない。もう踏んだり蹴ったりですよね。
だから、私用案件については、自前のパソコンを使うべきなのです。

参考事例3

テレワークしている部屋で、漏電が起き、火事になった。通常なら早期に気が付くはずであったが、納期的にオーバーワークをしていて熟睡中で、焼死してしまった。
テレワークしている部屋は、プライベートな生活も営む部屋ですからね。社宅ならともかく、家賃支給を得て自分で借りた部屋だとすると、これもかなり難しいことになります。

オーバーワークは、自己管理の中にあるわけです。自分一人で担えない仕事量は、あらかじめ、SOSを出さなければならないものです。
漏電は予想付かないし、漏電の起こった日にオーバーワーク後の疲れで前後不覚になって、起きられないもまた想像つかないものです。

テレワーク=在宅勤務における労災

テレワーク=在宅勤務とは、起居寝食の行われる自宅にて、会社の業務に従事する職務携帯です。負傷等の災害が発生した場合、労災保険法の適応があるのか。あるとすれば、どのように取り扱われるのか、テレワークを始める前に確認しておく必要があります。

これには、国が平成20年に定めた「在宅勤務に関するガイドライン」が参考になるかと思われます。
「労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法等の労働基準関係法令が適応されることとなる」とされています。通常の労働者と同等の取り扱いが原則であると掲げられているのです。

特に、労災保険法の適応については、同ガイドラインにおいて「業務が原因である災害については、業務上の災害として保険給付の対象となる」とされています。逆に「自宅における私的行為が原因であるものは、業務上の災害とはならない」とも記されています。

在宅勤務においても、負傷や疾病等が『業務上』と認められるためには、「業務と、負傷や疾病等の間に、一定の因果関係があるということ」という『業務起因性』および「労働者が労働関係の下にあった場合に起きた災害であること」という『業務遂行性』が要求されるのです。
これらの原則を踏まえて、労災保険給付の対象になるかどうか。負傷や疾病が発生した状況に応じて個別に、厳密に判断されます。

どんなことに気を付けたらいいか

テレワークには、同僚がいません。コワーキングスペースでの労働であれば、第三者と言う立場で同じ場所で働く誰かが見ていてくれますが、自宅で一人で業務に従事している場合、災害状況の現認者はいません。
繰り返しますが、会社としては、テレワークを命ずる以前に、在宅勤務時のルールを定めなければなりません。逆に言えば、ルールがない中でテレワークに踏み切ることは、労働者として危険と言えます。

  • ①就業時間と私的時間の厳密なる線引き
  • ②就業時間中の記録や業務進歩の適時報告(作業日報の提出など)といった管理体制の確立
  • ③就業場所の特定
  • ①については、就業場外のみなし労働時間制の適応によって、線引きが難しい場合があります。こんな場合も、作業日報に「なぜ、この場所で仕事をしているのか」事細かに記載することで、きちんと業務を遂行していたことが認められる可能性は高いです。
  • ②については、労災保険の適用のみならず、労働時間管理の観点的にも、在宅勤務の運用そのものを検討するうえでも、非常に重要なポイントです。その記録を残すことによって、会社に合った仕組みを設定する必要があります。
  • ③については、自宅以外での業務を禁止すること(コワーキングスペースを労働場所と定めることもできる。つまり、自宅はプライベート空間になる)。一定の制限をかけることで不測の労働災害を防ぐことが出来ます(郵便物は、ポスト投函ではなく、ゆうパックや宅配便業者に取りに来てもらう)。 ただ、どうしても外出しなければならないことも仕事にはあるので、外出時のルールも合わせて設定しておくべきです。

労災認定は、難しいものであるが、労働者の権利である

テレワークに従事する労働者の労災保険の適用は、どうしても在宅勤務ということからプライベートなことが起因内容に含まれてしまうことになります。
プライベートが少しでも加味される案件では、労災は適用になりません。業務とプライベートを、できるだけ明確に区別することを心がけるべきです。

働くべき時間帯にしか働かない。テレワークは働き方改革の一つではありますが、いつでも1日24時間の中で働けるではなく、自分が能率的に仕事しやすい時間帯を決めるべきです。
すると、働きすぎ=長時間労働を避けることが自主的にできるわけです。
参考事例にあげたもの以外に、パソコン作業による眼精疲労や腰痛など業務用疾病は、会社勤務でもテレワークでも同じように起こります。それらを防止する対策として、労働衛生教育を実施するなど、会社も労働環境に目を向けるべきです。

最後になりましたが、テレワークを円滑に行うために(会社勤務もですが)、労災の認定基準の見直しも必要な時代になっているのかもしれません。

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