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介護のために始めたテレワークが、実は集中できない理由

他人にお願いすることもできる

両親が高齢になると、どちらかに、あるいは両方に介護の必要がでます。必要になっても、どちらかが健康な場合、子供が介護に加わるよりは、2人で生きてきた人生を支え合いながら老々介護をしている方が、実は、介護関係者との関係もうまくいく場合があります。

けれども、子供としては、いつなにがあっても駆けつけられる体制で仕事をすることになります。警備会社の見守りサービスを依頼して、今日ポットを押してお湯を飲んだかどうかで確認する場合もあります。

また、ヤクルトでは、ヤクルトレディが商品を手渡しして、安否確認を行政から委託されていたりします。

でも、いよいよの時、そして、会社のテレワーク制度を活用して、実家に戻って在宅介護をする選択ももちろんあります。介護離職ではなく、ちゃんと自分の仕事を持って(自己収入があることで、自分は自立した人間だという安心感が生まれます)、その合間に介護ができる。

ちょっとそれは、介護を専門にしている人からすると、甘い考えなのです。しかし、実家に帰って同居すればなんとかなるだろうと、見切り発車で始めてしまうものです。

親は、意外と老いている

まず、ぶち当たるのは、親の急激な老いです。盆暮れには帰省していても、その時は、子供に心配かけないように、親はいつもより自分に気合いをかけて数日間頑張っているから、子供の頃より少し齢をとったかな程度にしか思えないのです。

しかし、一緒に暮らしてみて、「こんなこともできなくなっていたの?」を知ります。やかんをコンロにかけっぱなしで、ダメにしたやかんが庭にずらっと並んでいたりします。そこまで危険でなくっても、夕ご飯を食べて横になり、片付けません。

介護しようと帰ってみたものの、いつも食事の支度後片付けは親がするものだと思っていますから、なにもしない親に、さらには、そのまま茶の間で朝まで寝入ってしまう親にびっくりします。

仕事していても、親の変化に対応できない自分がそこにいます。それでも、テレワークはしなければいけません。それが、あなたの仕事なのですから。

<介護認定から始まる、介護保険制度>

誰も、介護認定の申請をしていなかったら、介護はそこから始めなければなりません。自治体の高齢者福祉課等に相談して認定審査をしてもらう日程を決めます。同時に、親の通院している病院の主治医に意見書を書いてもらわなければなりません(だいたい無料なので、親の今までの体調を聞くべく、病院に同行することが必要です)。

仮に、病院と言ったら、歯医者さんくらいでどこも悪いところがなく、加齢による老化の場合は、あなたが実家に着いた日から、今までの親とは違う部分、行動をメモして「記録」を積み重ねなければなりません。

例えば、寒い地方で、灯油が外のタンクに取りに行かなければならないとします。自分が行くときに栓は必ずしてくるのに、親が行った後は必ずタンクがカラになって、業者に発注をかけるとしたら、親はもう栓をするのも忘れているのです。灯油業者からの明細をしっかり確認しましょう。

水道を止めることが一番忘れる要素であるので、水道料のチェックも行ってください。生活のそのさまざまなことが、できなくなっているのですから。

戦友になれるケアマネージャーを選ぼう

この時点で可能であれば、「あなた自身」が話しやすいケアマネージャーを依頼しておく必要があります。ただ、親が介護認定を受けなければ、ケアマネージャーには1円も入りませんから、それでもかまわないという人を選んでください。

ケアマネージャーには国庫から支払いがあるので、あなたは支払わなくて大丈夫です。あなたに合う人で親にも親切にしてくれるケアマネージャーに出会うまで、何人クビにしてもかまいません。

介護のイロハの最初の部分から、もうテレワークの時間が取りにくいなと感じたことでしょう。こうしたことが、延々と続きます。

認定度によって、使えるサービスは違う

介護認定を受けたとしましょう。支援1・2と介護1・2は、国が統括しているのではなく、住んでいる自治体の制度によってちょっと違います。けれど、介護3以上を取れるのもまた難しい問題ではあります(介護5は、寝たきりとか家族のこともわからない認知、介護4は身の回りのことが自分一人でできないとか車いす使用者です。介護3は、買い物等生活を一人で営むことができないと思ってください)。

それでも、認定度数に合わせて、昼間あなたがテレワークしている間、「デイサービス」を利用することが出来ます。朝にお迎えに来てもらって、16時ごろに帰ってくる。老人版幼稚園といったところでしょうか。

同じくらいの高齢者が集って、昼食やおやつを食べ、入浴とシャンプーもしてもらえます。合間に折り紙などの趣味を生かすこともできますし、カラオケタイムもあります。でも、時として、そういった管理された環境に行きたくないという人もいます。また、送り出しやお迎えの時に時間を取られるので、あなたの方が行ってほしくないと考える場合もあります。

義務ではないので、親の感情を優先させつつ、お願いした方が、仕事がはかどるならばお願いするべきですし、家にいて好きなことしてもらっていても問題はありません。

サービスとしては、この他に、お泊り介護をする「ショートステイ」があります。例えば、ビデオ会議がある日、または会社に出向いての会議がある日は、お願いすると、自分のことばかりしていることが可能になります。

ただ、予約が3か月前の1日からなので、会議等の予定をしっかり確認して、必ず泊まれるようにケアマネージャーや施設にお願いしましょう。

いろんな手続きをするのは、子供の役目

この二つをメインにケアマネージャーにお願いすると、翌月の予定表を持っての訪問があります。ここでも時間が取られます。役所の高齢課への手続きも、原則家族ですし、期限もありますし、とても面倒くささを感じます。でも、それも含めての介護です。

あなたが実家に帰ってきたとして、住民票はどうしますか。また、親を扶養するとして会社に申請しますか。

これはアドバイスですが、親は、年金収入しかない独居老人(あるいは夫婦世帯)のままにしておいて、あなたとは世帯分離をしておいた方が、なにかと福祉サービスが受けられることになります。

ヘルパーさんは、親のことをするための人

そして、その方が、ヘルパーさんをお願いしやすくなります。ただし、ヘルパーさんは独居の親のために来ているので、あなたの分の食事も作らないし、洗濯もしません。また、掃除に関しては、とても厳密です。

例えば、バナナの皮がテーブルにあったとして、これは誰が食べたかが問題になります。親が食べたのだと、片づけてくれます。あなただとすると、置いた位置に残されます。まあ、そこまでいじわるかというとそうでもないので、大丈夫ですが、共有の部屋はあなたも使ったとみなされて、お掃除はしてもらえません。

そして、ヘルパーさんが来ている時は、あなたが熱心に仕事をしても、必ず声をかけられて、持ち時間の大体50分仕事の手を休めて、お相手しなければならないことになります。

寒い日に早朝入ってもらう場合は、家じゅうが温かくなるように、あなたがもっと早く起きて暖房をつけなければ、報告書に書かれます。

一緒にいることで、いろいろ気が付く点がある

親に少しでもなにかをする気力があり、意思確認もできる、身体的認知(転びやすいとか、長時間はあるけないとか)ならば、「ショートステイ」だけの利用をススメます。

あとは、自分がした方が速いからです。いわゆる認知が進んでいる場合は、あなたも休憩を(あくまでも仕事を円滑に進めるためにですが)とらなければならないので、「デイサービス」にお願いしてください。

一緒にいるから、見守りはできます。でも、それは介護ではありません。親が子供の頃、あなたにしてくれたことを返していくことが介護です。人の出入りが激しくて、テレワークの手を度々止めなければならないものですが、覚悟を決めて実家で過ごしてください。

仕事の代わりはいますが、子供の代わりはどこにもいないです。そして、真逆ですが、あなたが真摯に取り組んでいる仕事は、親のために犠牲にしなくてもいいということも忘れないでください。

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